ワインの基本マナー9選:初心者でも楽しめるテイスティングの始め方

ワイン初心者でもスマートに楽しめる?

「ワインってなんだか敷居が高い」「マナーを間違えたら恥ずかしい」——そんな不安を抱える人は少なくありません。特にレストランでソムリエがワインを注ぐ場面や、グラスを回して香りを楽しむ人を見ると、場違いに感じることもあるでしょう。

しかし、ワインは知識量を競うためのものではなく、感覚で楽しむものです。基本的なテイスティングの流れとマナーを知っていれば、初心者でも十分に魅力を味わえますし、大人としての品格も自然と伝わります。

テイスティングに正解はあるのか?

実際のところ、「こうしなければならない」という決まりはありません。とはいえ、順を追って味わうことで、ワインの魅力をより深く感じられるのは確かです。テイスティングとは視覚・嗅覚・味覚を使って行う「五感の旅」とも言える体験です。

フランスのワインアカデミーによると、初心者でもテイスティングの順序を守ることで、より明確にワインの特徴を把握できるとのこと。日本ソムリエ協会の研修でも、視覚→嗅覚→味覚の流れが基本とされています。

1. ワイングラスの持ち方は?

まず最初に悩むのがグラスの持ち方。多くの人がグラスの丸い部分を持ってしまいがちですが、これはNG。グラスの脚(ステム)を持つのが正しいマナーです。手の体温がワインの温度に影響するためです。

特に白ワインやスパークリングワインは冷たさが命。グラスの温度を保つためにも、正しい持ち方を習慣化しておきましょう。

2. なぜ色を見るのか?

色を見る行為は単なる見た目の確認ではありません。ワインの熟成度、ブドウ品種、保存状態などを読み取る重要な手がかりです。白い紙やナプキンの上でグラスを傾け、縁の色合いや透明度を確認します。

  • 赤ワイン:紫がかっていれば若いワイン、レンガ色なら熟成したワイン
  • 白ワイン:淡い黄緑ならフレッシュ、濃い金色なら熟成または樽熟成

3. 香りをかぐのは味の第一歩

テイスティングで最も大切なのが「香り」です。香りは味わいを左右する要素であり、まずはグラスを軽く回して(スワリング)、香りを解き放ちましょう。

最初はアルコールの香りが強く感じられるかもしれませんが、徐々に果実や花、スパイス、土など、複雑な香りが現れてきます。日本ソムリエ協会の教本でも、「香りの複雑性」はワイン評価の重要項目とされています。

4. 一口目は少量で、ゆっくりと

口に含む際は、少量をゆっくりと舌全体で転がすようにします。甘味、酸味、タンニン、アルコール度数、ボディ感など、様々な味のバランスを感じ取ることができます。

特に赤ワインではタンニンの渋みが印象に残るかもしれませんが、それもまた味の一部。渋みをネガティブに捉えず、ワインの構造として捉えると理解が深まります。

5. テイスティングの順番とは?

複数のワインをテイスティングする際は、順番が重要です。次のような基本ルールを意識しましょう。

  • スパークリング → 白 → ロゼ → 赤 → デザートワイン
  • 軽いボディ → 重いボディ
  • 若いワイン → 熟成ワイン

味の濃さが徐々に強くなる流れを守ることで、それぞれの特徴をしっかりと感じ取ることができます。

6. テイスティングノートは必要?

記録を残すことは必須ではありませんが、味の好みを把握し、次回のワイン選びに活かすために有効です。香りや口当たりの印象をメモしておくだけでも違います。

日本でも使えるワインアプリには、Vivino(ヴィヴィーノ)やWine-Searcherなどがあり、バーコードで検索したり、味の記録を写真付きで残すことができます。

7. スマートな注ぎ方とは?

ワインを注ぐ際のマナーも押さえておきたいポイントです。ラベルが相手に見えるようにボトルを持ち、グラスの1/3程度まで静かに注ぐのが基本です。

注ぎ終わった後は、ボトルを軽く回して最後の一滴が垂れないようにします。この一連の所作が、場の印象を大きく左右します。

8. ワイングラスの洗い方と保管方法

香りを楽しむワインにとって、グラスの清潔さはとても重要です。洗浄後は自然乾燥ではなく、リネンの布で水気を拭き取り、口が下を向かないように保管しましょう。

食洗機よりも手洗いを推奨します。市販の中性洗剤を使い、洗剤の香りが残らないようしっかりとすすぐことが大切です。

9. 初心者におすすめのワイン3選

最初から高級で難解なワインを選ぶ必要はありません。親しみやすく、バランスが取れた味わいのワインから始めるのが理想です。以下は日本でも手に入りやすい初心者向けワインです。

  • モスカート・ダスティ(イタリア):低アルコールで甘口、微発泡の白ワイン
  • ピノ・ノワール(フランス):渋みが少なく、軽やかな赤ワイン
  • シャルドネ(カリフォルニアなど):果実味と酸味のバランスが良い白ワイン

これらは日本のスーパーや専門店でも2,000〜3,500円前後で購入可能です。日常の食事やパーティーにぴったりです。

あなたも今日からワインを楽しめる

ワインは特別な知識がなくても楽しめます。基本のマナーとテイスティングの流れを理解することで、自信を持って一杯のグラスを味わえるようになるのです。今夜、小さな冒険としてワインの世界に足を踏み入れてみませんか?

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、アルコールの摂取についてはご自身の体調や年齢を踏まえ、節度ある判断をお願いいたします。